今、自然保育が求められている!
近年は国際的に幼児教育の重要性への理解が拡がり、幼児期にこそ森林・自然の中での体験活動を行なうことの重要性が指摘されます。
木登りで育つのは何でしょうか。お姉ちゃんたちの木登りをまねて「自発的」に登ろうとする「意欲」です。そして。何度も失敗してあきらめずにチャレンジする「集中力」と「忍耐力」。やっと登れた時には喜びと達成感を覚えて「自信」を得ます。もちろん、「運動能力」も向上します。
別の場面では、森の生き物に向かう「好奇心」も引き出されますし、子どもが年長になれば、年少の子どもたちへの「思いやり」や「リーダーシップ」も発揮されるでしょう。
さらには、美しい紅葉に心が動き、触れて愛でる「感性」も忘れてはいけません。子どもは、目の前のモミジの枝から色づいた葉っぱを手に取ったり、わざと枝を揺らしてヒラヒラ舞い落ちる紅葉のきらめきを眺めるのです。
ここで大切なのは自然界の多様性や不思議を見出し、この世界に生きる喜びや感動を覚える感性です。「センス・オブ・ワンダー(神秘さや不思議さに目を見張る感性)を提唱したレイチェル・カーソン(1907~1964)は、「感じる」ことは「知る」ことよりずっと重要だと説きます。
さまざまな動植物が生を営み、四季折々の季節がめぐる自然界こそ、子どもが感性を発揮させる場で、そこから智恵や知識を得ていくのです。
幼児期の「今、ここ」での体験が一生の思い出・原風景として、人生物語の一頁を飾るでしょう。